返済をスピードアップ!一部繰上返済とは

住宅ローンの契約を済ませ、今みなさんはホッと一息ついている頃ではないでしょうか。イントロダクションの章でも触れましたが、住宅ローンは“人生最大且つ複雑な金融取引”の1つです。契約までの道のりは思いの外大変だったのではないですか。いよいよ毎月のローン返済が始まります。夢のマイホームも手に入れ、そこで毎日生活するわけですから、つい最近大きな金融取引をしたことすら忘れてしまいそうですよね。そうです、いくら大きな借金をしたとは言え重荷に感じる必要はないのです。家計のキャッシュフローをちゃんと把握し、しっかりとしたライフプランと住宅ローンの知識があれば、これからもきっとうまく行くはずです。

さて、住宅ローンをマラソンレースに例えると、ローン残高を全て払い終えた時点でゴールとなります。自分で決めたペースを守って無理をせずに走って行くのか、ペースをスピードアップして積極的にゴールを目指すのかはみなさん次第です。この章ではみなさんが積極的にゴールを目指す方法、完済までの時間をスピードアップするための方法として“一部繰上返済”のことについてお話ししたいと思います。

一部繰上返済とは、住宅ローンの返済期間中に、残高の一部を返済することですが、一部繰上返済を行うきっかけとなる主な要因には次のようなものがあります。

  1. 金利が高いと感じ始めた。
  2. 金利タイプ(型)が変動金利型なので、将来的な金利上昇に備えたい。
  3. 返済期間が長い。
  4. 借入額が大きいと感じ始めた。
  5. 家計に余裕がある時に、積極的に一部繰上返済したい。
  6. 積極的に住宅ローンの返済に取組みたいので、毎月少しでもよいから一部繰上返済したい。

(5や6が理由で一部繰上返済をお考えの型は、“繰上返済も想定したローン選び”をご参照ください。)

では、下のチャートをご覧ください。これは、最もポピュラーな元利金等返済方式という返済方式のローンを例とした一部繰上返済です。通常の毎月の返済とは別に、ある程度まとまった金額を一括して返済してしまいます。一部繰上返済によって、元金部分にかかるはずだった利息を支払う必要がなくなり、その結果トータルの返済額が軽減されています。一部繰上返済には、毎月の返済をそのままにして支払期間を短縮するタイプと、返済期間をそのままにして毎月の返済額を減らすタイプの2種類あります。

繰上返済図1

繰上返済図2

どちらがお得かと言いますと、返済期間をそのままにするタイプより期間を短縮するタイプの方が利息軽減効果はあります。しかしどちらを選ぶかは、それぞれそれなりに利息軽減効果はあるわけですから、みなさんのその時々の家計の状況やライフプランにマッチした方を選ぶことが大切です。

 

−Topics−

“一部繰上返済”の落とし穴

一部繰上返済には、利息軽減効果があることは先程お話しました。しかし、家計の収入と支出のバランスを無視した無理な返済は危険です。一部繰上返済は手持ちの現金を使います。ですから、返済を行ってしまった後は、当然手元から利用できる現金もなくなってしまいます。急な支出が発生しても大丈夫なように、家計のキャッシュフローには十分余裕を保ち、『手持ちの現金がない!』なんてことのないように注意してください。又一部繰上返済を良く理解しておかないと、その効果を十分に享受することができなくなってしまう場合があります。一部繰上返済の見えない落とし穴にはまってしまわないように、少なくても下記の項目は把握しておきましょう。

繰上返済は早いほど効果が高い
住宅ローンの金利は元本の残高に対してかかってきますので、元本の残高がたくさんある初期の方が利息軽減効果が高いことは言うまでもありません。

一部繰上返済に手数料!?
一部繰上返済は、金融機関や商品によって手数料がかかる場合があります。ですから、みなさんが利用している、又は検討中の住宅ローンをよくリサーチして、まとまった額を一度に返済したほうが良いのか、何回かに分けて返済しても効果があるのかどうか良く検討してください。一部繰上返済に手数料がかからない商品もあります。(詳しくは“繰上返済も想定したローン選びを”をご参照ください。)

住宅ローン控除か?繰上返済か?
住宅ローン控除とは、税制が定める条件に合えば納めた所得税から、年末のローン元金残高の1%に相当する額を控除するというものです。(もちろん納めた所得税を住宅ローン控除の額が上回った場合は、その部分は戻ってきません。)そうなりますと、『住宅ローン控除で納めた所得税金が少し戻ってくるのだから、控除される期間はローン残額が多いほどお得!繰上返済は控除期間が過ぎてからでも遅くはない!』と考えてしまう人が出てきます。しかし、もう一度良く考えてみてください。住宅ローンの年利は最低1%、しかし控除は最大で1%です。一部繰上返済できるのであれば、返済してしまった方が利息軽減効果があるのです。(住宅ローン控除に関する詳細は、お近くの税務署、又は市(区)役所担当窓口でご相談いただくことをお薦めします。)

更にもう1つ!
一部繰上返済するにしても、時期を選ばないと得する機会を失ってしまう可能性があります。それは、住宅ローン控除は年末のローン元金残高に対しての控除だと先程お話しました。ということは、年末まではローン元金残高を目一杯保っていたほうがお得ということです。一部繰上返済をするのであれば、控除を目一杯受けた後で、年が明けてから返済を行うのが良いでしょう。

さて、繰上返済には今回お話ししました一部繰上返済の他に、借入金額を全部一括返済して一挙にゴール地点に到達するための“全部繰上返済”という方法もあります。これも一部繰上返済と同様、金融機関や商品によって手数料の設定が違います。直接それぞれの金融機関へお問合せいただくことをお薦めします。

ボーナス返済

返済のスピードを速めるその他の方法に“ボーナス返済”があります。サラリーマンや公務員の方は、年2回のボーナスボーナスを得ている方が多いと思います。ですからボーナス返済を利用して年に数回、そのまとまったお金を住宅ローンの返済に充てて返済のスピードアップを図るわけです。繰上返済とボーナス返済の大きな違いは、ボーナス返済の場合、契約時に返済スケジュールに返済時期/回数が組み込まれてしまうので、返済が始まれば自動的に返済が発生します。繰上返済の場合は、返済スケジュールには組み込まれていないので、返済の目処が付き次第、自己申告で返済を行います。ボーナス返済のことはここでは詳しく触れませんが、どちらにせよメリット/デメリットありますので、しっかりリサーチした上で返済に望んでください。

 

PAGE TOP