住宅ローンの見直し

住宅ローンをしばらく返済していると、ローンを組むときには想定できなかったことに直面することがあります。住宅ローンの返済は家計の支出で重要な位置を占めます。ですから家庭の状況、仕事の状況、収入、貯蓄等の変化や市中金利等の変化に伴って見直しを余儀なくさせられることもあるでしょう。見直しを考えた場合、全ての人に共通な処方箋はありません。それぞれの問題にあわせた解決策の中から実行できるものを選択することが賢明です。見直しのニーズは色々ありますが、まず、自分の不安は何なのかをしっかり把握することが大切です。この章では以下の項目に焦点を当ててみたいと思います。

まず家計の見直しを

住宅ローンの見直しに着手する前に、家計のキャッシュフローをしっかり把握するため、再度家計の見直をしてみましょう。家計を見直すことで解決できてしまう問題もあるからです。金利上昇懸念に伴う返済額の上方変動という脅威に不安を抱く人や、返済額を少しでも減らしたいと願っている人も、家計のキャッシュフローの正確な把握により現実的な見直しプランを立てることができます。見直しのポイントは“審査で承認を得るための3ステップ”でお話ししました“純可処分所得(NDI)”が十分であるかどうか(再度ご覧ください)、そして家計全体を年間ベースで把握することや住宅ローンの返済をしながら毎月どの程度貯蓄することが可能か等です。

家計を年間ベースで把握する

“家計予測シート”をご用意しましたので、将来の予測のためにこのシートを是非記入してみてください。実際に記入してみることで、使途不明金(何に使ったか良くわからないお金)がいくらくらいあるのか、そして、まだまだ削減できる経費に気付きます。そして、次の年の予算もある程度イメージしやすくなります。

毎月いくら貯蓄できているか

住宅購入後もコンスタントに貯蓄ができているかどうかは、家計見直しの重要なチェックポイントの一つとなります。貯蓄可能であればあるほど返済計画に余裕があるということが言えます。貯蓄がうまくできない場合は“家計予測シート”の結果をみて、家計のスリム化に取組んでください。

その他のポイント

耳の痛い話しですが、携帯電話料金等、細かい支出もこのさえメスを入れてしまいましょう。例えば、携帯電話料金が一世帯で月3万円を超えてしまうようですと年間36万円もかかってしまい大きな出費といわざるを得ません。そして、生命保険なども内容をよく吟味せず、薦められるがまま加入してしまったという経験をお持ちではないですか?年間50〜60万円の保険料を支払っているのであれば見直しの価値ありです。一つの例ですが、住宅を購入すると団体信用生命保険への加入が義務付けられています。団体信用生命保険では、契約者が死亡・高度障害状態の場合に、保険金でローンの残債が一括返済されます。死亡後に住居費の心配がなくなることから、住宅を購入すると、既存の生命保険の死亡保障額を減額できるというのが一般的な考え方です。生命保険以外の保険も、現在色々な商品が多数存在しています。商品のリサーチを行い、自分にとって合理的でない保険を解約し、新しい保険をお求めになることも検討してみてはいかがでしょうか。

金利上昇が不安!変動金利/短期固定金利型ローンの見直し

市中金利上昇が騒がれていますが、市中金利が上昇すると、それに伴って住宅ローンの金利も上昇します。このような状況下で、変動金利短期固定金利型の住宅ローンをお持ちの方は、特に不安を感じているのではないでしょうか。なぜなら変動金利型は、市中金利上昇に伴い返済額が上昇する心配があり、短期固定金利型にしても商品によっては、当初固定期間金利が優遇金利等でとても低く設定され、固定期間が済むと同時に急に上がってしまうような商品があるからです。ですから、これらのタイプのローンは金利が上昇すれば、わりと早期に見直しが必要となってくるタイプと言っても過言ではありません。何年か前まで変動金利型の金利は1%前後でしたが、将来的に3%を超えてくる可能性があります。短期固定金利型の場合、当初固定期間は大体3年程度なので、過去3年に金利1%前後(優遇金利)で、3000万円を超える借入金を長期返済中の場合、固定期間終後に金利が3%を超えてしまうようであれば借り換えの検討も考えられます。

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借り換えを考える

上記のようなローンは、民間ローン(銀行・ノンバンク)の商品で、優遇金利が利用できて、長期(10年程度)金利2.5%前後で固定できるタイプのローンに借り換えるのが理想的です。本来借り換えとは、高い金利から低い金利のローンに借り換えるのが基本なのですが、この場合は少し違います。固定金利期間が1%前後のローンを2.5%程度の長期固定金利型に借り換えると、返済額や利息負担率は上昇しますが、変動金利や短期固定金利型のローンは、それ以上に将来の返済額が上昇してしまうというリスクがあるローンなので、金利上昇の程度によっては何らかの見直しが必要となります。借り換えをすると手数料などのコストは掛かりますが、3000万円を超える借入金を長期に渡って返すことを考えると、繰上返済による100万円、200万円の内入れよりも借り換えの方がより効率を生み出す場合があります。借り換えの際は、金融機関と十分相談の上ご決断ください。

3年固定(1.5%)で3000万円を30年ローンで借りた場合の返済(元利金等/ボーナス返済なし)

当初3年間の毎月の返済 → 約103,500円

3年後金利が3.5%になった場合 → 約135,000円 年間約38万円アップ

3年後金利が4%になった場合 → 約142,000円 年間約46万円アップ

思い切って3年後に、金利2.5%/10年間金利固定という商品に借り換えた場合、毎月の返済額は120,000円となります。返済額は年間約20万円アップしていますが、返済はこのまま10年間固定されるので、10年間の返済総額は1443万円です。一方、金利3.5%にップしてしまうと、10年間の返済総額は、約1616万円、金利4%の場合、約1707万円となってしまいます。

住宅ローン金利は、これからコンスタントに上昇し続けると決まったわけではありません。しかし、金利2.5%前後で金利を長期固定するという考え方は、理にかなった決断と言えるのではないでしょうか。借り換えの際は、金融機関と良くご相談の上、その効果を十分納得した上でご決断ください。

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早く完済したい人へ

見直しを考えている人の中には、個々の経済状態の変化によって、返済スケジュールに記載された期間より早く返済を終わらせてしまいたいと思う人も出てくることでしょう。返済が速く終われば金利負担率も縮小され、返済総額は減ります。早く完済してしまいたいという人は下記の方法を試してください。

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返済額を軽減したい人へ

現在住宅ローンを返済中の人の中には、「返済額がもっと少なければ…」とため息をついている人もいると思います。しかし、返済額を安易に減額すると、結局負担を先送りする結果となりかねません。ですから、できれば返済額は現状維持を続けていただきたい!でも、どうしても減額したいのであれば慎重に検討してください。高い金利から低い金利へ借り換えると金利が下がった分返済額が少なくなりますが、できれば借り換え前の返済額と同額程度として、その分繰上げ返済期間の圧縮を図るプランの方が金利負担率が下がります。“まずは家計の見直し”の章でもお話ししましたが、ローンの返済額だけに注目するのではなく、家計全体を把握した上で他の支払をコントロールし、ゆとりを捻出することも必要です。

 

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