住宅ローンの返済方式

“返済”について少しお話ししたいと思います。皆さんが住宅ローンを組みますと、当然、毎月少しずつその借金を返していことになるのですが、それを“毎月の返済”といいます。

まっ、それは誰でもわかりますよね!


では、毎月の返済の内訳を見てみますと、あなたは毎月、“借りたお金(元金)”とそれにかかる“利息”とを少しずつ返さなければなりません。利息は、“年利”(1年単位で定められた金利)を使って計算されるので、例えば3000万円を借り受けて年利3%ならば、その月の利息は“3000万円×3%÷12ヶ月=7万5千円”となり、毎月の返済の元金部分にプラスして、その月の利息を支払うこととなるわけです。次回の支払は、前回の返済によって少しだけ元金が減少しているわけですが、その残高に対して先程と同じ計算を行います。この調子で返済が進むにつれ、徐々に元金部分が減り、金利も徐々に減り、あなたの債務がなくなるまでそれを繰り返すわけです。 さて、このような基本的な返済の仕組みを利用して、現在住宅ローンには2つのポピュラーな返済方式があります。ひとつは“元利均等返済方式”といい、もう1つは“元金均等返済方式”といいます。

元利均等返済方式

住宅ローンといえば、十中八九、“元利均等返済方式”というほどポピュラーな返済方式です。

左のチャートをご覧ください。元利均等返済方式では、毎月の返済額が変わりません。例えば、35年長期金利固定型ローン、年利3%で3000万円借りたとしても、35年間ずーっと毎月の返済額が変わらないわけです。あなたがこれからのライフプランを考えるとき等、もし住宅ローンの返済が毎月同じ額ならば、金銭の動きが簡単にイメージできますよね。そしてこれが、この方式の利点なのです。
では、支払の詳細を見てみましょう。一回目の毎月の返済額は11万5,445円です。内訳は、利息部分が7万5000円、元金部分が4万455円となります。この方式ですと、返済初期では利息部部分を元金部分より多く払うことになり、このような期間がわりと長く続きます。これが逆転するのがなんと114ヶ月目(420ヶ月で完済)、9年半目の返済の時で、その月の返済の内訳は、利息部分が5万7,640円、そして元金部分が5万781円です。これがこの方式の弱点と言えば弱点で、この返済方式は元金がなかなか減らず、返済総額が膨らんでしまうといわれる所以です。(支払総額4千849万768円となります。

元金均等返済方式


では、毎月の返済で元金をたくさん支払い、早くローンを終わらせてしまいたい人には、“元金均等返済方式”がお勧めです。右チャートでもわかるようこの方式は、毎月の返済の元金部分は常に一定で、自分が月々いくら元金を払いたいかで、毎月の返済額や返済期間が決まってきます。例えば、年利3%で3000万円借りて、元金を月々10万円程度は払いたいとすると、なんと300ヶ月(25年)で返済が終わってしまいます。では、返済の詳細を見てみましょう。まず、利息部分は元利均等返済方式と同じように7万5000円、元金部分が10万円(3000万円/300ヶ月)です。ということは、1回目の支払は17万5000円も支払わなくてはなりません。現在、月20万円くらいの賃貸マンションに住んでいる人なら、このローンも現実的ですが、17万5000円も払えないという人は、もうちょっと期間を延ばす必要がありますね。

しかし、徐々に金利の部分は減少するわけですから、300回目の支払は、利息部分が250円で、元金部分が10万円の合計10万250円となります。(支払総額4千128万7,500円)歳をとればとるほど、どんどん安くなる。働き盛りのときに多く支払い、老後は安泰というところでしょうか…。

ものは考えようです。皆さんも、十分に考えて返済方法を選びましょう! では、簡単に2種類の返済方式の良い点、悪い点をまとめておきましょう。

各方式のメリット/デメリット

  メリット デメリット
元利均等返済方式
  • 毎月の返済額が一定。
  • 将来的な計画が立てやすい。
  • 返済当初は、利息の返済に充てられる割合が大きい。
  • 元金が減るスピードが遅い。
  • 返済総額が膨らむ。
元金均等返済方式 毎回一定の元金を返済でき、元金残高が確実に減る。 返済当初の負担が大きい。

 

−Topics−

その他の返済方式
現在は、元利均等返済方式と元金均等返済方式の2種類の返済方式が主流で、そのほかの返済方法はあまり聞かなくなってしまいました。しかし、その他の返済方式もあるには、あります。その代表的なものが“ステップ(ゆとり)返済”という方式です。これは、基本的には、元利均等返済方式を応用したもので、最初何年かの返済負担軽くして、何年か後に返済の負担を増やすしくみとなっています。

左の例だと、返済6年目までは返済が軽く、6年目から大幅アップとなっています。このような返済方式は、右肩上がりの給与体系や年功序列というものが日本の社会でまだあたりまえだった時代に、その給与体系に合わせて作られたものだと思われます。バブル崩壊後、日本のお国事情も一変し、このステップ式の返済に合わせきれなくなった人が数多く出ました。そして、そのような人達が、延滞、貸倒れという結果を生むことになってしまったのです。(金融公庫は、2000年(平成12年)にこの制度を廃止しました。)近い将来、もっと画期的な返済方式を使った住宅ローン商品が出てくるかも知れません。しかし、それまでは、元利均等返済方式、そして元金均等返済方式という2種類が、返済方式の王道ということになります。